嗜みのある暮らし C.A.T

嗜好飲料と呼ばれる飲み物についてや、ちょっとお洒落な小物について紹介します。

【普段あまり飲まない人にも分かりやすくをモットーに】カペ・アラミドは何故世界一高いコーヒー豆であるのかを解説します。

秋も深まり、読書に最適な時期になりましたね。コーヒーを片手に好きな本を読む。

 

――たまらない組み合わせです。

 

さて、コーヒーが好きな方の中にはその魅力に取りつかれ、自分で入れるようになった方も多いのではないでしょうか。実際いざ始めて見ると、その奥の深さに驚きますよね。最初は慣れない作業にどきどきしながらドリップした頃が懐かしいです。笑

はじめは何も分かりませんでした。「道具は何を揃えたら良いの?」からはじまり道具を揃えれば次は「お湯の温度は何度がいいのか」「ドリップってどうやるの?」などなど……悩みはつきませんでしたね。

それが気付いた頃にはマイカップを購入していたり、豆の種類に合わせたドリップの仕方などを習得したりなどしているのですから驚きです。

挙句今では、更に更に深みにハマって自家焙煎を始めようかという所まで来てしまったのですから、いやはやコーヒーというのは恐ろしい……(いいつつ楽しいのでガッツリ楽しんでいるのですが。笑)

 

さて、世間話もそこそこにしつつ本題に入ります。

世界一高い、と言うからには何円するのだろう、と思われる方も多いと思います。という訳で一番最初に値段ですが……なんと。

 

驚くなかれ、100gで10000円以上します。

(詳しい値段は→【アラミドコーヒー】 )

 

まずアラミド珈琲とは何ぞや、という話ですね。ここだけの話、私も知ったのはつい最近なのですが、調べてみると結構面白い作り方をしているんですよね、この豆。まずアラミド珈琲というのは正しく言うとカペ・アラミド(以後カペ・アラミドで統一します)と言います。そして次に作り方なんですが……。

 

簡単に言うと、(タイトルにも書いてありますが)ネコの糞、うんちから出てきた豆なんです。

 

 

……ええっ!? と思われた方。正常です。大丈夫です。

私もこの手のタイプのコーヒー豆があることを初めて知った時は非常に驚きました。それはもう一人で思わず声を上げてしまうくらいでした。

 

あ、今『この手の』という言葉が気になった人がいたら、勘が良いですね。流石です。

 

実はこのカペ・アラミド以外にも、ネコの糞から豆を採取して販売している品種があるんです。「コピ・ルアク」という名前なのですが、もしかしたらこちらの方が有名かもしれませんね。コピ、はコーヒーの意味でインドネシア語です。ルアク、というのはコーヒー豆の付いた糞を出すネコの名前で、正しくはジャコウネコ、と呼ばれています。特に、コピ・ルアクの「ルアク」というのはマレージャコウネコという種類のジャコウネコを指していて、インドネシアではルアクといえばマレージャコウネコを指していることが多いです。

 

……じ、実は普通のネコじゃないんですよ!(ΦωΦ)

 

 

このネコは主にアフリカ大陸や、ユーラシア大陸インドネシアスリランカ、フィリピンなどに住んでいて、基本的に主食としているのがコーヒーの実なんです。

 

↓知ってました? コーヒーの実って赤いんですよ。

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ジャコウネコはこの実を主食にしているのですが、豆は硬いので消化できず糞と一緒に出てくるんですね。それが、コピ・ルアクカペ・アラミドの正体なんです。

 

「でも、糞ってやっぱり抵抗があるな……」という方へ。

勿論、糞から取った後はきちんとお掃除をして綺麗な状態にしてあります。化学物質も不使用です。

だから、勿論飲んだからといって臭みがあったりお腹を壊したりなどはしません。笑

 

 

さて、これでようやく説明の半分くらいです。

大丈夫ですか、付いてこれてますか?笑

……実はここからがタイトルの本番だったりします。

 

さてさて、ネコの糞から取れるコーヒー豆ですが、読んでいて気になったことがあると思います。

 

「あれ、コピ・ルアクカペ・アラミド、何が違うの?」

ということですね。

 

それはこれからお話します。

 

まず簡単に言うと、

コピ・ルアクは、漁で言うと「養殖」で

カペ・アラミドは、漁で言うと「天然」なんです。

 

詳しく言うと長くなるのですが、コピ・ルアクはジャコウネコを檻に入れて、コーヒーの実を食べさせているんですね。けれどカペ・アラミドはジャコウネコを自然に放して、自由に自然のコーヒーノキに生えている実を食べさせているんです。そしてジャコウネコが排泄した糞を人が探して取るので、掛かる手間がまず違うんですね。加えて、販売されるのに使用されている豆は、排泄された頃から1日以内に取ることの出来た物のみで、それ以上発見まで時間がかかったものは自然に返しているんです。

 

返すのはコーヒーノキを減らさない為と、必要以上に自然から搾取を行って生態系を崩さない為、というのが大きな理由ですね。

 

ここからは少しだけ真面目な話になります。

 

何故カペ・アラミドはそこまで手間を掛けるのでしょうか。

それは作られている土地柄が関係しています。

元々フィリピンには犬を食べる犬食文化がありました。私達日本人ではあまり犬を食べようとは思いませんが、犬の代わりに牛や豚や鶏、魚を食べます。文化の違いですね。

 

それ自体はひとつの文化として根付いていたのですが、しかし近年に成って屠殺の方法が問題視されるようになりました。撲殺をした方が美味しい、という論が一定数存在し、大量の犬たちが撲殺される状態がそこにはあったのですね。それを問題視した当時フィリピンの大統領夫人だったイメルダ・マルコスという方が犬を撲殺することを禁止しようと、行動を起こしはじめたのが、動物を守ろうとなった今のフィリピンの体制のそもそもの始まりです。これが大体1960年台頃の話です。そこから少しずつ犬だけではなく動物も守るべきであるという考えが広まっていきました。

 

ジャコウネコについては、当時フィリピンでもインドネシアと同じく檻に入れ管理されていたのですが、その方法だとジャコウネコに大きなストレスが掛かったり、成長に支障をきたすことが避けられない、などの問題があってジャコウネコは次々に数を減らしてしまい、現在では絶滅危惧種に指定されているレベルにまでなっています。

 

そういった過去があって、2007年の時点でフィリピンではジャコウネコを檻に入れて飼育することは法律で正式に禁止され、今日では自然に放されるようになりました。

インドネシアでも現在では徐々に自然に放す方向になって来ているようです)

 

ここまで読んでもらえると分かると思うのですが、カペ・アラミドは手間がかかる上に生産量も多くはありません。何せジャコウネコがフィリピンでは紙幣になっているほどですから。年間で取れるのも大体500kgと言われています。

 

そう考えると、高額なのもうなずけますね。

 

さて、カペ・アラミドが何故世界一高いコーヒー豆であるのか、これまで書いてきました。この情報が皆さんの良き珈琲ライフの一助となれば幸いです。

 

 


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